オランダ市民への第一歩③ ~銀行口座の開設 編~

※ 記事中の情報は2018年2月のものです.詳しくは大使館,オランダ移民管理局,現地銀行ページの情報などを参考にしてください.

どうも,真面目な記事担当のある日です.
今回はオランダ市民への第一歩シリーズの3編目として,オランダに住むために必要不可欠な銀行口座の開設について書いて行きます.

居住許可証の取得

現地電話番号の準備

銀行口座の開設 (この記事)

BSNナンバーの取得

 

現地銀行口座はそもそも必要か

長期で海外に滞在する場合,必ずしも現地の銀行口座が必要ということはないと思います.日本で契約したクレジットカードで決済をしたり,(オススメはしませんが)キャッシングをすればカード文化のヨーロッパであれば問題なく生活できます.しかしながら,留学やビジネスでオランダに行く場合は,現地銀行口座の必要性はすごく高くなります.

前の記事で書いたように,オランダでは居住許可申請の際に,経済的能力を証明するために滞在月数×900€の大金を現地の学校や企業に送金する必要があります.
(補足: 他の国と同様に日本国内の銀行口座の残高証明を発行する方法もありますが,申請の難易度が桁違いに高いです)

そして,後に送金した大金を返してもらうためには,ヨーロッパもしくはオランダに口座がある必要があります.なので,現地に到着したら早めに銀行口座を作った方が何かと便利です.そこで今回は,銀行選びのポイントや注意点をまとめて行きたいと思います.
(補足: VISAや居住許可申請のあと,日本の銀行口座に返金してもらうこともできますが,2ヶ月ほどの時間と二重の手数料がかかるのでオススメしません)

 

銀行選び

オランダ国内には日本と同じように有名な銀行がいくつあり,街中で見かけるのはほとんど以下の3種類の銀行です.

  • ING Bank HP
  • ABN AMRO HP
  • Rabobank HP

オランダやヨーロッパでは何をするにもまずはアポイントメントを取る必要があり,銀行口座の開設も例外ではありません.しかし,ING Bankのみ,予約不要で店舗に出向くだけで口座開設ができます.また,Rabobankは基本的にWebページ,アプリがオランダ語であるのに対して,ING BankABN AMROは英語のホームページもあったりと,日本人にも優しい仕様になっています.僕は手続きの手軽さと,オランダで最も口座開設者数が多いことで有名なING Bankで口座を開設しました.

 

店舗での口座開設

口座開設にあたり,必要なものは

  • パスポート
  • 住所
  • オランダ国内の電話番号
  • BSNナンバー
  • 居住許可証もしくはApproval Letterの控え

です.BSNナンバーに申請についての記事はまだ書いていませんが,オランダにおけるマイナンバーみたいなものです.
そしてマイナンバーの申請手続は1ヶ月ほどかかるため,銀行口座開設までとても時間がかかってしまいます….
ですが,ありがたいことに留学生が銀行口座の開設が容易にできるように,各大学はそれぞれ提携先の銀行があり,その銀行であればBSNナンバーがなくても作ることができます.そしてフローニンゲン大学はING Bankと提携しています.(詳しい情報はこちら)

1月10日
必要なものをもって,近くのINGの店舗に行きました.店舗に入ったら真ん中に置かれているソファーに座って,店員が声をかけてくれるのを待ちます.しばらくしていると個室やカウンターに呼ばれて手続きが始まります.(英語で対応してもらえます)
このとき対応してくれた店員はフローニンゲン大学が銀行と提携していることをしらず,何回もBSNナンバーがないと開設できないと言われました.学校のホームページを見せたり,偉い人を呼んだり,たくさん説明してやっとわかってもらえました.

いろいろとごたごたはあったものの,なんとか銀行口座を開設できました.ING Bankの場合,口座維持費として月々数ユーロのお金が自動的に引き落とされます.なので店員に「今は口座にお金入っていなくて,しばらくは残金ゼロだけど大丈夫なのか?」と聞いたところ,「ちょっとくらい払えなくても大丈夫だよ,だれも気にしないよ.やっぱり日本人は真面目ね」と言われました.(これでいいのか?)

1月15日
自宅に大きさやデザインが異なる3つの手紙が別々に届きました.めんどくさいですがセキュリティの観点から仕方ないですね.
1つにはデビットカード,2つ目には暗証番号(PIN Code),3つ目にはインターネットバンキングや,スマホアプリで利用する際のアクティベート番号が入っていました.

1月16日
手順通りにデビットカードのアクティベート,インターネットバンキングのアクティベートを行いました.

twitterでもつぶいたように,ヨーロッパでは基本的に日本と違い,カードの暗証番号を自分で決めることができません.
でも,その方がセキュリティの面ではずっといいはずですよね.

1月17日
iOSアプリのアクティベートも終わりやっと銀行口座が使えるようになりました.(空っぽですが)

個人的にING Bankのマスコット?であるオレンジ色のライオンのデザインが好きです.デビットカードの右下についているマークはマスターカードのマークに似ていますが,Maestro(マエストロ)マークになります.似ているのには理由があって,Maestroは国際ブランドであるMasterCardが発行しているデビットカードブランドです.日本国内ではMaestroブランドのデビットカードは現在発行されていないので馴染みはないかもしれませんが,ヨーロッパではかなり強いブランドになります.

1月18日
大学側にお金を返してもらうように,Reclaim Formを記入し,提出.

1月26日
そしてやっとお金が自分の銀行口座に返金されました.これでスーパーでの買い物や食事,すべてデビットカードで支払うことができるようになりました.また,ヨーロッパ国内であればそのままカードを使うことができ,手数料も1%と安く,ATMで現地通貨を引き出すこともできます.超便利.

 

余談と注意事項

めでたく現地銀行口座を開設することができ,やっとオランダ市民に溶け込めるようになってきました.注意事項としては,街中に点在しているATMは基本的に引き出しのみで入金をすることはできません.入金をしたい場合は,INGの店舗や,入金対応しているATMまで行く必要があります.そして,INGのATMはオランダ語オンリーで,英語に切り替えることができません.僕はATMに並んでいる人が少ない時間を狙って,何回も試行錯誤して画面上の配置を覚えましたw
また,もう一つ注意点としてオランダではクレジットカードやデビットカードでの支払いをPINと言います.PINは暗証番号を意味するので,最初はなかなかわかりませんでした.日本では「現金のみ」という表記をよく見ますが,オランダでは「PIN ONLY」と掲げたお店も多くあります.

余談ですが,日本では地方銀行,三井住友SMBCで同じようにインターネットバンキングやスマホアプリを使っていますが,こっちのアプリは本当にわかりやすくて日本でも見習って欲しいくらいです.あと,日本ではあまり普及していない非接触決済のコンタクトレス(Contact less, payWave)がこっちでは普及していて,INGの場合25ユーロ以下の買い物はPINを打たずにコンタクトレスで支払えます.

Visa Contactless Payments | Visa より引用 (リンク)

三井住友SMBCデビットなんかはVISA payWaveに対応していますが,日本では数えるほどしか使ったことがありません.
(補足: コンタクトレスで支払える金額はアプリやインターネットバンキングのページから変更することができます)

だいぶ長くなりましたが,次回の記事ではBSNナンバーをもらえるまでの手続きをまとめて行きます.